病院で

今日は通院日だった。

乳癌の方。

 

弟が送り迎えをしてくれた。

仕事の都合もあると思うから、

無理はしないでと言ったけれど

「行くわ」。

 

ところが約束の10時半になっても来ない。

 

とうとう11時15分も過ぎて

予約の時間があるから、気が気じゃなかったんだけれど、

デパートによってケーキと

太后にふわふわパンを買ってきてくれたのだった。

 

 

病院は混んでいた。

相変わらず混んでいた。

 

この間言われた肺に出来た

索状痕のことを聞く。

 

それは放射線治療の影響でねえということだった。

11月に再びマンモ。

その結果を待ちましょうって。

 

「それよりも肝臓の数値が気になるねえ」

 

「tonchikiさんはお酒は?」

 

「飲まないです」

 

「煙草は?」

 

「ずっと前に止めています。」

 

「うーん」

 

「とりあえず血液をとって検査しましょう」

 

「…はい」

 

「あと、骨密度も測ります」

 

「はい」

 

「…ホルモン剤をずっと飲んでいるから、骨が溶けるのよね」

 

「…」

 

「まあ、ね」

 

「はい。」

 

「後ね、亜鉛は、数値良くなってるね」

 

「…ナッツを食べるようにしてます。」

 

「ほら、すごいでしょ、ぐんと良くなってる。

頑張ってるね」

 

そう言われても

不安な顔の私。

 

「ま、来月とにかく検査して」

 

「はい。わかりました。」

 

人の身体に絶対はないって

思うけれども

また、このもやもやを抱えるっていうのが

嫌だなあ…仕方ないけれど。

 

結局私は気が小さいし、この上もなくビビリだ。

 

診察が終わって会計の順番を待つ。

 

 

ぼーーっと座っていたら弟がきた。

2時間近くも待たせて、ごめんよー。

 

「車回すわ。薬局の前に。」

 

更にぼーーっと順番を待つ。

 

すると窓口で

高齢の男性が声を荒げている。

 

「だからな。

この明細書見て初めてわかったんや。

このパジャマ代ってなんやねん!」

 

「いや、それはですから」

 

「わかってるよ。

貸しパジャマの代金やって言うんやろ?

でもなうちはパジャマ持っていってたねん。」

 

「それはですから」

 

「わかってる。

だから、奥さんに了解とってって言うんやろ?」

 

「でもな、俺は最初に言うていたはずや。

うちの奴は認知やからって。

それやのに、奥さんに了解とったって、それは違うやろ」

 

「…」

 

「あんたらは、それくらいって思うかもしれんけどな

10万以上払ってるねん。」

 

「そうですね」

 

「生活苦しいからな…だからな…連絡はちゃんとして欲しいねん」

 

「…」

 

延々と続く男性の訴え。

 

切なかった。

 

帰宅したら

友達からカードが届いていた。

 

フクロウのカード。

 

不苦労のカード。

 

頑張らなくちゃ。