できなくなったことも多くあるけれど、
ああ、気がつけばと、
いつの間にか楽になっていたということもある。
簡単にできていたこと。
例えば歩くこと。
バス停4つ分くらいが私のウオーキングの距離だったのに、今は夢のまた夢の距離になってしまっている。
それでも、自宅のちょっとした階段さえ手すりに掴まって必死の思いであがっていた私が。
1000歩歩くのがきつかったんだの私が。
回覧を回すのに、何度も何度も立ち止まってしまっていた私が。
それが、なんとかこの頃3000歩台、歩けるようになってきた。
相変わらず坂道は何度も立ち止まるけれど、それでも私にしたら大きな変化。
ずーーーーっと身体が痛かった。
針でチクチクと身体中を刺されているような痛み。
痛いと何もかんがえられなくなるんだよね。
身体が冷えるとその痛みが激しくなる。
わかっていても、暑い時はクーラーをかける。
寒くなってくれば、益々。
痛みがあまりに長く続くので
正直、夜中、目を覚ましてはきつくて何度も泣く。
トイレに行きたくなって目が覚める。
痛くて身体が動かない。
ベッドからそれでも頑張って降りると
しばらく痛みで固まる。
椅子に掴まって歯をくいしばり
痛みが少しでも収まるのを待つ。
みっともない話しだけれど、そうこうするうちに失敗してしまうこともあって。
情けないし痛いし悔しいし。
一人で洗濯機を回しながらまた泣く。
全く…。
身体を温めるといいとドクターから言われていたので
お風呂に入る。
我が家のお風呂は昔ながらの深い浴槽なのだけれど、足や手の筋力が落ちている私は、うまく身体を支えきれず、うっかり溺れそうになる。
全く洒落にならないので、手すりをつけようかとあれこれネットで調べるうちにどんどん気持ちが凹んでいく。
このまま
状況は悪くなるばかりなの?
それが3000歩台歩けるようになってくると、スッと身体も支えられるようになって。
ささやかなことだ。
其れまでは当たり前のように出来ていたこと。
それが出来なくなって、そして少し取り戻して。
それが嬉しい。
痛くないこと。
歩いている時に「歩く」それ自体で頭いっぱいにならないこと。
そんなことが嬉しい。
今、顔面神経麻痺で、シガシガしている左目も
地雷のようにじーんとしている巻き爪も
なんとか少しでも良くなってくれるといい。
世の中はブラックフライデー。
顔面神経麻痺になると、頭皮も緊張する。
ガールフレンドに教えてもらって
少しいいヘアブラシを買った。
AVEDA パドルブラシ。
そんなに言うほど安くはなっていなかったけれども、その代わり「名入れサービス」があった。
みんな自分の名前や或いは贈る相手の名前を入れるってことだったけれど、
私は「smile」と入れてもらった。
スマイルなブラシ
スマイルな日々。
スマイルな気持ち。