善意


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髪の毛が伸びた。

 

これはこれでいいと思いつつ、天パークリクリが出てきて、朝起きたら大爆発しておる。

 

やっぱりカットしたいなあと思って、予約をとる。

今回は母も一緒にレッツゴー。

 

バスに乗る。

 

え?こんなに人が?

 

席は全て埋まっている。

 

そっか…仕方ないなと思った瞬間、

若いお姉さんが

 

「あの…ここ、どうぞ」

 

すみません、ありがとうございますと答えながら、母を座らせる。

 

すぐに私にまで席を譲られる。

どうやら肩で息をしていたのを見て、だと思われる。

 

ありがたいなあ

嬉しいなあ

そう思いながら座っていると、バスが停留所に止まる度、高齢の方々が多く乗り込まれてくる。

 

杖をついている人

ちょっと足元が危うい感じの方々が次々と。

 

すると、若いお姉さん、お兄さん達が次々に立って、席を譲っていかれる。

 

ちょっとそれは、びっくりするような光景で。

 

バスを降りて

「凄かったね。

みんな優しいね。」そう母に話しかけると、

「本当にねえ。」

 

しかしそうは言っても、私としては、たまたまそういう優しい人達が多く乗り合わせていたのかもだななんて考えてもいたのだ。

 

電車に乗る。

 

またもや席は埋まっている。

 

人出が多いのだな。

ちょっとびっくり。

いつの間に世間はこうなっていたのか。

そりゃあニュースで見て人出が戻ったとは聞いていたけれど、それにしても。

 

そうしたら、座っていた若い奥さんが、わざわざ立ち上がって、どうぞと仰る。

 

いや、もう次の駅で降りますから。

でも、ありがとうございます。

 

帰りの電車でも同じことが起こった。

 

疲れたのでタクシーで帰ろうと、タクシー乗り場へ行く。

 

ご贔屓のタクシー会社は、人気ゆえに出払っていて、待つことになった。

 

「急ぐ旅じゃないから。」

と、母が言うので、わらう。

 

すると、一人男性がいらっしゃった。

 

私たちを見て

「長く待ってらっしゃる?」

「ええ。」

そう答えるとガラケーを取り出して

「2台回して欲しいんやけど。」

今日は本当に人の善意を、好意を沢山感じる日になったなあ。

世の中捨てたもんじゃないよなあ。

 

そう思って携帯を見る。

 

目に飛び込んできた

安倍元首相銃撃のニュース。

 

悪意は善意を凌駕するのだろうか。

 

いや、

そうじゃない

 

そうじゃないはずだよねと、

祈りにも似た気持ちで、

今日1日をふりかえっている。