6クール目2022初通院日

 

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予想はしていたけれど、正月休み明けの病院はダダ混み。

 

10時に入って血を抜いて、診察は10時半予定だったはずが、実際に名前を呼ばれたのは、12時過ぎ。

 

送り迎えをかってでてくれたガールフレンドが、待ち時間の間も付き合ってくれたので随分助かったのだった。

 

診察室に入って離島ドクターに新年の挨拶をすると、何故か少し嬉しそうだった。

 

「味覚異常が収まらないです」と訴えると、

 

「うーん。数値的に亜鉛不足ってことはなってないから、抗がん剤の副作用としか言えない。

亜鉛不足を解消する薬出しても不足はしてないから、効果ないだろうし…様子を見るしかないなあ。」

 

という回答。

仕方ないね。

 

「食欲はあるんやね?」

 

「押し込んでます。」

 

「御正月は満喫した?」

 

「あ、はい」

 

「tonchikiさんは、あと5kg落とさなくちゃいけないんだけど…美味しいもの食べた?」

 

ギクッ

 

「あー御正月ですし、お餅を…

お雑煮とか」

 

「何個くらい?」

 

「えっと、3個…くらい…かな。」

 

「それは、毎日?」

 

「いや…毎日では…ないかな」

 

モゴモゴ言ってたらドクターに笑われた。

 

数値的にOKだったので2階の処置室に向かう。

 

ガールフレンドは入室出来ないし、時間もかかるので一旦帰ってもらう。

 

「終わったら連絡ください。

すぐに来ますから。」

 

彼女にとっては正月休みの最後の日。

ほんと、申し訳ない。

 

私だったら、絶対出来ない。

病院なんてマイナスエネルギーバンバンで、行って楽しい場所じゃないし、病人の相手もめんどくさい部分多々だし。

 

処置室にはいると看護婦さんが

「ご家族ですか?」

 

「いや、友達です。

年離れているけど、友達。

元同僚なんですけど、娘ちゃんみたいですよね。

送り迎えをかってでてくれたんです。」

 

そう言うと

「えーすごいですねえ。

優しい。

なかなかそんなことをしてくれる人っていませんよ。」

 

「でしょう~?

私、そういう運だけは強いんですよー。」

 

そう言ったら、ここでも笑われてしまったのだった。

 

「普通はこういう時、「人徳ですねえ」って、お返ししたりするんですけど…」

 

「人徳では、ないです。

「運」です。」

 

看護婦さんの肩がずっと震えてた。