取材

取材を受けた。

 

待ち合わせは1時で、取材が終わったのが3時 。

 

本当に久しぶりに 人と喋ったなぁっていう感じ 。

 

取材をしに来てくれたのは まだ若く、ピチピチの入社3年目という、可愛らしいお嬢さんだった。

 

あれこれ質問されたのだけれど、 普段 ヒッキーで本当に人と喋らない 毎日 なもので 、喋るのってエネルギーがいるんだな あと帰ってから 痛感する。

 

まだ働いていた頃は、 話すことが 仕事の一環 という部分があって 、毎日ペラペラペラペラ 話していたものだけれど。

 

人って 話さないと 喋るの下手になるんだなぁ。

どうも要点をうまくまとめられない。

話が散漫。

 

お嬢さんは 気を使って 、それでも 話を切り取りやすい 、 フックがたくさんあるみたいなことを言ってくれたけれど、 いやはや いやーっていう感じだった。

 

とりあえず 癌になったからといって 、殊更に前向きだとか 頑張ろうとか 、世界が一新したとか。

そういうことは一切なくて 、私は普通のおばさんで 日常が続いているだけなんだと そういうことを話した。

 

だからこそ 癌だけに スポットを当てるんじゃなくて 今まで通り 普通のおばさんで 、そういうことを考えながら書いたのだと 、「うまく言えないけれど」 と言いながらそういうことを話した。

 

彼女は 、言いたいことはとてもよく分かるけれど とても伝わってくるけれど、 それをまとめて言葉にするのがとても難しいと 言った。

記事はどんな風にまとめられるだろう。

 

「ところで 賞受賞して どうでしたか。?」

 

癌にだけスポットをあてるんじゃなくてと言いながら 、矛盾したように聞こえるかもしれませんけれど 、とても 嬉しかったですよ。 

 

だって、一緒に喜んでくれる人達が いたから。

 

一緒に喜んで、 笑っていいネタに なったねと言ってくれる人がいることが 、何よりも嬉しかった。

私の人生 なかなかのもんだよなと思うことができた。

 

だから受賞は 、とても感謝しています 。

 

そう言うと 、彼女は

 

「よかった よかったです。 受賞おめでとうございます 。」

 

そう言って 笑ってくれたのだった。