ママンガールフレンド

コロナワクチン接種に行ってきた。

 

私が接種したのはファイザー社製。

今回が1回目だ。

 

昨日の夜からちょっと緊張して、ドキドキしていた。

あんまりドキドキしすぎて、睡眠不足になるとまずい 。

 

パニック障害になる引き金になると判断して、ドクターからもらっていた 睡眠導入剤を飲んだ。

 

余計な薬は 飲みたくないけれど 、付き添いで わざわざ私を会場まで連れて行ってくれる ガールフレンドに、迷惑をかけたくない 。

 

睡眠導入剤のおかげか、 朝起きると ぐっすり寝たという実感があった。

 

接種予約時間は、午後3時 。

予約時間の10分前には 到着しておいて下さいと 、市からメールが届いていた。

 

朝からずっと落ち着かない気持ちのまま 過ごしていたけれど 、ピンポーン。

いよいよガールフレンドがやってきた。

 

せっかくの お休みだというのに、 本当に 申し訳ない。 そう思いながら 念のため パニック障害を抑える薬、家を出る直前、デパスを飲む 。

 

さて出発 。

 

ところが車が走りだして 10分もしないうちに 足元がヒューヒューしてきた。

 

まずい 。

これはまずい。

あーでもちゃんと デパスを飲んできたんだもの。… 大丈夫大丈夫。 自分に言い聞かせる。

深呼吸するんだ。

ゆっくり、ゆっくり。

冷たい汗が出てくる。

 

ガールフレンドが私の様子を見て 、かかりつけ医の病院へ 寄りましょうか ?と言ってくれる 。

 

まじで 寄った方がいいかもしれない 。

ちょっと弱気になったけれど …でもでもでも。

 

「tonchikiさん 、座席を倒してください。」

「うん。…ありがとう。 」

 

そう言って座席を倒して 目をつぶった。

しばらくすると少し 薬が効いてきたような気がした 。

 

うん。大丈夫だ。

よかった。 本当に良かった 。

 

ガールフレンドに申し訳ない。

…全く情けないと思いながら 、でもここまで来ればと自分に言い聞かせる。

 

会場に着いた。

ぐるぐると 分かりにくい 建物の構造で エレベーターを乗り換えなくちゃいけなかった。

 

「大丈夫ですか ?ゆっくりでいいですからね。」

 

ガールフレンドは 、まるでママンのようだ。

というか、私がおばあちゃん化しているのか。

 

大丈夫 大丈夫。

自分に言い聞かせ続ける。

 

たどり着いた接種会場は、とても 混んでいた。 こんなにいるのか。 まあ自分もその一人なのだけれど 。

 

「付き添いの人は あちらに座ってください 。」

そう言われて、優しいガールフレンドママンからは 離された 。

 

携帯電話に LINE が入る 。

 

「気分が悪くなったら 後ろで 見守っていますから 言ってくださいね。」

 

ママンは、どこまでも優しいのだった。