しかし、胸が重苦しいっつうてるのに、なぜマンモ???
それに、心臓は何の問題もないって言う割には、薬は飲まなくちゃいけないのかー。
ま、いいけどさあ。
やっぱあれだね。
救急外来で迷惑かけた分だけ
「元をとられる」のかしらねー。
そんな随分胡乱なことを考えて、
頭が痛かったことも、あれはなしっ!なかったことに!!ってな風に心の中に押しやって。
「tonchikiさ~~ん、マンモ検査で~す。」
「は~い」
看護師さんが呼びに来た時には、
やっぱりちょっと足元がおかしかったけれど、
いやいやいやいや、今日この検査が済んだら、帰れるんだから。
マンモに関しては、ネットで随分あれこれ評判を目にしていた。
「痛い」
「押しつぶされる、私のおぱ~い」
「もっと改良して欲しい、マンモ嫌い」
怨嗟の声は結構大きくて。
そっかー。痛いのか。
・・・そう思っていたんだけどさ。
あら。
な~~んてこたあないじゃん。
えー???なんでこれが痛いんだろ。
余裕、余裕。
そんな調子で、私の初マンモは終了。
やだわ~。
私のおぱ~い、余裕だったってことは
ちぱ~~いじゃなくて、でかぱ~いってこと?
おほほほほ・・・なんて調子こいて、自己評価を勝手にあげていると、
「それじゃ、乳腺の先生と顔合わせを」
乳腺外科の先生は、女性だった。眼鏡をかけた女医さん。
「ご苦労様でした。」っていうその第一声で
「あ、この先生とは、ウマが合いそう」
そんな感じがした。
なんというか、声が笑っているように感じるタイプ。
やっぱりさ、ドクターとの相性ってのあるよね。
人間だもの。
声が笑ってるように感じるその女性ドクターは、きっとご陽気な性分とみた。
ああ、ご陽気バンザイ!!!辛気臭い場所でも、こうやって後陽気オーラを感じると、救われたような気がする。
「痛くなかったですかあ?」
「はい、大丈夫でした。」
「tonchikiさんは、なんでこっちに回されたのかな?・・・あ、アンガールズ田中ドクターの指示か~~」
「あ、はい。」
「まあ、入院したから、ついでにってことかな。
人間ドック的な感じで。」
「そうでしょうね」と、ベテランっぽい看護婦さんが相槌。
「それじゃ、次は、今日の結果を聞きにきてもらうとして・・・空いている日は・・・っと・・・。」
え?
また来なくちゃいけないの?
もう、これで終わりじゃないんだ。
えーーーーめんどくせー!!!!
「じゃあ、4日後に。」
ありがとうございましたと頭を下げながら
私は内心、えーーー・・・ここ結構遠い場所にあるし
そもそも今コロナで、そんなに度々病院なんか来たくないのになあ~~って思った。
ぶーーーー。
そうして、やれやれと病室へ戻って、退院の準備を始めた。
すると、またもやアンガールズ田中ドクターが現れた。
何よ!
今度は、何??
ひょろひょろと痩身なアンガールズ田中ドクターが口を開く。
「tonchikiさん、1回、大腸の方も検査してみようか。」
「え?何か問題があったんですか?」
「いや、そういうんじゃないけどさ。
この際、全部調べた方がいいと思ってさー。
次、ちょっと1日入院して検査ってなるけど。」
この時点で、私はかなりげんなりした気持ちになっていた。
もう、いいよ~~。
検査検査ってさ~~。
「tonchikiさんは、大腸カメラやったことある?」
「ないです。」
「ふん。
判った。じゃあ、今から内科のドクターに紹介するから。」
えーーーー???
私、今日本当に帰れるのかしら。
アンガールズ田中ドクターが、なんかひょろひょろと蛸のように長い手足を巻き付けてきて、
病院へ病院へと引き込もうとしてる気がしてきた。
いーーーーーやーーーーだーーーーーー。
「・・・・はい」
仕方なく、私はアンガールズ田中ドクターの後ろを歩いた。
なんか、判ってて、ゾンビの巣に向かう人間のような気持ち。