教授こと坂本龍一が旅立った。
その功績は私なんぞがいちいち言わずとも…だけど、
その晩年の孤高のイメージよりも、
私にとっては
おむつ履いて、洟垂らしといった扮装で嬉々としておふざけやってた教授の姿こそが印象的だったし、覚えていることだ。
日本人でメイクしたとき、絵になった数少ない男性の一人でもあったと思う。
おっとこまえだけど、当初は本人まーったく自覚がなくてという話も好ましかった。
癌が公表された後
危うい自由診療の場所で彼を見かけたという週刊紙の記事を読んだことがある。
「え~!?…そんなイメージなかったのになあ。」
快活でのびのびふざけ散らかしていた彼のイメージと重ならない。
今日は大腸癌の定期診察日だった。
弟が送り迎えしてくれた。
注射器3本分の血を抜いて、検査後、呼ばれてドクターのところへ。
「数値はOKでした。」
あ、よかったあ。
神様、ありがとうございます。
ほうーーっと身体から力が抜けて、安心した私に
「そろそろカメラを飲もうか。」
どっきりした。
わかってる。
小心者だと私も思う。
結局、5月10日
入院して検査を受けることになった。
「ポリープがある場合は
その時にとります。」
「出血の恐れがあるんでね。」
…言ってもしょうがないのさってわかってる。
癌患者が一番怖いのは
「再発」
「転移」
教授は何度か転移の告知をうけている。
教授…どんな気持ちだったんだろう。
ふとそんなことを思って
切なくなる。
「行きか帰りか…どっちがいい?2日は無理だから」
弟が言う。
「んーー、行きかなあ。
朝早いし。」
と返事をした。
帰りの車窓からは
盛りを過ぎた
桜が見えた。