消えぬミーハー心

「お前 結構更新しているけど、余裕あるんじゃねーの 」と 思っていらっしゃる 方も いるかもしれないけれど、 なんせ 痛いのだ。 何か違うことをしていなければ 気が紛れない。

 

麻酔の為に挿管していた管が、喉を細かく傷つけているのだと、説明されても、水を飲む練習をしていて、咳をすればダイレクトに傷に響く。

 

(まさかこの年で、水を飲む練習なんてするとは思わなかった。)

 

それにしても 携帯を手に入れて 本当に良かったと 思う私だ。

 

この携帯もまた、 私の 友人達が 色々調べてくれたのち、

入院前に 車で ショップに 連れて行って くれて 、手に入ったものだ。

 

多分、 あの少し強引な 展開がなければ 、私は携帯を手に入れていなかっただろう。

 

なければないで 別にいいや。

そんなふうに思っていたけれど 、今、 この瞬間、 はっきり言って 必需品。

痛みと闘うためにも。

 

 

病院は 女性が多い職場。

ちびまる子 ドクターや 乳腺ご陽気ドクター も女性だけれど、なんといっても看護師さん。

 

看護師さんたちの世界では 、やっぱり 女性が多い。

 

私が入院した時 、

看護学生の勉強のために こちらにつけてもいいでしょうか?勿論ダルくなったら、途中で拒否することも可能です。」 という打診があった。

 

まあこんな私でも 何かの役に立つのなら それもまた良いかと OK 。

 

立派な看護師さんになるがいいさ。

 

私に着いた 看護学生二人は まだ本当に若い ピチピチした2人組で 、色々と緊張しながら それでも一生懸命に 私に話を向けてくる。

 

患者のバックボーンを知ることで、看護に繋げる…多分、そういうことが 授業のひとつの 大事な一環になっているのだろう。

 

それで話していて、 自分ばっかり話すのも なんだし 飽きても来ていた私は、「あなたはどうして 看護師さんになろうと思ったの ?」と尋ねてみた。

 

すると 彼女は、「 私は小さい頃 入院していた事があって、その時に 看護婦さんから 随分優しくしてもらって 、憧れたんです。」 と そこまでは こう言っちゃなんだけど 、よくあるパターンの話。

 

その次に彼女が言うには「再就職しやすい 職業ですから。」

 

 いやー今の20代って しっかりしてるね~。

 

自分が20代の頃 再就職のことなんか、1ミリたりとも、考えていなかったぞ。

そんなことより 目の前の ミーハーな興味を 満たすことで いっぱいだったぞ。

 

私はびっくりするやら感心するやら。

すっかりおばちゃん丸出しで、

「へーーーーーーー」

 

話は飛ぶけれど 外科 で最初に 紹介された ドクターは 外科部長と言う 役職。

 

「tonchikiさん 手術頑張りましょうね 。」

そう言って 話す 彼は 、オメガの時計をしていて、(シーマスター) 私はそれが 妙に目に付いて。

 

自分の話なんだから 、自分の事なんだから 、もっと集中して 話を聞かなくちゃいけない 。そう思うんだけど 、オメガか なるほど。 そして眼鏡は 多分 フォーナイン。 なるほどなるほど。 そんなことばかりが気になってしまうのだった。

 

看護学生に感心はしても、自分自身はというと、幾つになっても私のミーハーは治らない。

 

オメガドクターは、それなりにとても感じのいい人で、 そうか 外科の先生って 、毎日のように切ったりはったりしているのだから、さっぱりしてるのかもね …何て 思っていた。

 

だけれど 私を 実際に 執刀するのは オメガドクターではなかった。

それは ごま塩頭の 離島の みんなから好かれている ドクター って感じの 先生。 「彼が執刀しますので 」そうか。 部長先生ってのは そういう役割のわけね。 なるほどなるほど。

 

離島先生は オメガの時計はしていない。 だけど 説明が丁寧で とても腰の低い ドクターだった。