初入選

今日は大腸癌の方の定期診察日だった。

年末に向けて弟も仕事が忙しいということで、今日は1人で出向く。

 

自分のことだもの。当たり前。

 

だけど、車だとあっという間なのに、バス乗り継ぎは時間かかって、1日仕事になった。

朝、9時に出て帰宅2時30分。

いやあ、疲れたー。

 

改めて弟に感謝。

昔はもっときつい時、ガールフレンドが送り迎えしてくれたりしたんだよなあ。

 

 

診察時間は予約してあるけれど、予約した時間にきっちり診てもらえる訳じゃない。

今日は2時間近く待った。

 

そうして待ち時間に対して、診察時間は短い。

 

けれど、私にはその短さがありがたい。

ありがたく思える。

 

長いってことは、状況が深刻ってことであったりもするからね。

 

「2年半か~」

 

「早いです。

ついこの間のような気がするのに。」

 

「ほんとだね。

大きい手術だったもんなあ。」

 

診察を待っている間、携帯をいじっていたら、パピプペポ川柳に初入選のお知らせが来ていた。

 

パピプペポ川柳は

575の中に

パピプペポを入れて詠む川柳。

 

以前、私がフォローしている人がガンガン入選なさってて、真似っこして始めてみたものの、今まで全然掠りもしなかった。

 

初入選、嬉しかったあ。

 

第325回「パピプペポ川柳コンテスト」入選句
 
母の背に
冬が来たねと
パピプペポ 」
 
tweetに、初入選だ!って思わずアップしたら、フォロワーさんが何人も良かったねって褒めてくださった。
 
入選したことはもちろんだけれども、こうやって褒めてもらえたり、喜んでもらうことが本当に嬉しい。
 
今日はきつかったけれども、
嬉しい1日。
 
神様、ありがとう。
みんなありがとう。

お姉ちゃん

亡くなった父は癇癪持ちでコントロールフリーク。

小さい頃は随分と怖い存在だった。

 

今、笑っているかと思えば、次の瞬間大声で怒鳴りだす。

どうしてそんな風なのか

地雷はどこにあるのか

皆目見当がつかなくて。

 

とりあえず良い子でいること。

それだけをひたすら自分に課していた。

 

そんな父は洋画が好きで

初めての私の映画館体験は、

古い名画座で父と一緒に見た

大脱走」。

 

ティーブマックイーンは勿論格好良かったけれど、脇でニヒルに笑っていたジェームスコバーンが良かった、すごく良かったと父に言ったら、ひどく嬉しそうだった。

 

映画をみた後は

決まってケーキ屋さんに寄った。

 

家で待っている

小さい弟や母に

お土産としてケーキを買った。

 

父は私にも好きなケーキを選べと言う。

 

怖い父だったから、子供ながらに早く決めなくちゃいけないと、焦りながらケースのなかのケーキを見渡す。

 

あ、シュークリーム。

私はシュークリームが好きだった。

 

そして、その横にあったのが、

スワンシュー。

 

シュークリームを白鳥に見立てて作ってある。

私には夢のケーキに見えた。

 

じっとスワンシューを見ていると

父が「それでいいのか」と聞く。

 

うんと頷いて、

スワンシューは私のものになった。

 

家に帰って夕食が済むと

お待ちかねのケーキタイム。

 

おかあさんはモンブラン

真ちゃんはチョコレートケーキ

 

「ぼくこれがいい。」

 

弟が手に取ったのは

スワンシュー。

 

「え、それは私の…」

 

「お姉ちゃんは今日はチョコレートケーキにしておきなさい。

いいじゃないの、チョコレートケーキも美味しいわよ。」

でも…でも、それは

 

「黙って食べんか!」

父が怒鳴る。

これ以上怒らせてはいけない。

いくら言ってももう、弟からスワンシューを取り返すことはできない。

涙を堪えながら、私はチョコレートケーキを食べた。

 

次に見た映画は何だったのか

もう思い出せない。

 

そうして帰り道、またケーキ屋さん。

 

おかあさんはモンブラン

真ちゃんは…

 

「スワンシューを5つ」

父が言った。

 

え?

5つも?

 

「2つずつだぞ。

tontikiはお姉ちゃんだから、3つ。」

 

嬉しかったなあ。

 

お姉ちゃんだから。

 

いつも言われて悲しかったり悔しかったりしたその言葉が、

嬉しい言葉になった。

 

私の父は癇癪持ちで

コントロールフリーク。

 

子供の頃はNHK以外の番組を観ていると怒るような人だったけど。

 

愛されていたのだなあと思う。

 

 

 

 

急に寒くなった

急に寒くなった。

比叡山では今日、初雪だったそうだ。

 

寒いから、今日の夕食は芋粥にした。

 

 

この間は半田麺を茹でて食べた。

 

日ごとに温かいものが美味しい季節になっていく。

 

SNSを観ていたら

日本の政治は一体どうなっているのかと、哀しさを通り越して唖然とした気持ちになる。

 

大阪万博なんて

本当に必要ない。

心からそう思う。

 

作ったところで1年もたたずに壊してしまう

そんなことに税金を湯水のように使うなんて

今の日本の現状をどう考えて見ているの。

 

そんな金があるのなら

学校給食を充実させろ。

不足している薬問題は?

子供を育てるのに

悲鳴をあげている人達への

援助は?

 

コロナもまた高止まり傾向。

 

今は罹患しても検査にお金がかかるって、診察に来ても検査をせずに薬だけくれという人も増えているらしい。

 

万博のお金、検査費用に回すのだって

ありだぞ。

 

日本に金はない

そういっていながら

なぜこんな無駄使いを止められないのか。

 

経団連のお歴々が

偉そうに政治に口を出すのは

どういうことなのか。

 

私のサントリー不買運動

ささやかながら

継続中。

 

そういえば

反ワク反マスクも

ますます。

 

今、コロナだけでなく

インフルも大流行。

しかも子供達の間で。

 

マスクすれば抑え込むこと

無理ではないかもしれないのに、

そう、現場のドクター達が言っているにも関わらず。

 

相変わらず

頑なにマスクをすることを

拒む教育現場。

 

子供は何度かかかって

自然免疫を身に付けるべきなんて、意見も目にしたけれど、

 

これには同じくSNSで見かけた

この言葉をおくりたい。

 

「一部の議員が熱心に言う

「自然免疫を高めたら乗り切れる。もうマスクをとって正常化しましょう」 こそ、論文発表してもらわないと困るな。

 

「具体的方法論」必須。

 

なにをどうやれば新型コロナやインフルやアデノウイルスやRSVに感染しない免疫力をつけられるのかを示してもらいたい。」

 

https://x.com/yfuruse/status/1723859174210044112?s=20

一部の地方議員が熱心に言う 「自然免疫を高めたら乗り切れる。もうマスクをとって正常化しましょう」 こそ、論文発表してもらわないと困るな。「具体的方法論」必須。なにをどうやれば新型コロナやインフルやアデノウイルスやRSVに感染しない免疫力をつけられるのかを示してもらいたい。
 
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一部の地方議員が熱心に言う 「自然免疫を高めたら乗り切れる。もうマスクをとって正常化しましょう」 こそ、論文発表してもらわないと困るな。「具体的方法論」必須。なにをどうやれば新型コロナやインフルやアデノウイルスやRSVに感染しない免疫力をつけられるのかを示してもらいたい。
 
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マスクをしたくないという

1点突破では無理だから

本当にいろんな理屈を持ってくるよね。

 

子供の笑顔を隠すだの、情操教育に悪いだの。

 

で、マスクはずしをやって、

罹患する子供が増えて

修学旅行が中止です

文化祭が中止です

その方が余程可哀想だと思うのだが。

 

マスクをすることで

そんな状況を避けることが

でき得るならば

するべきじゃん!と普通に思う。

 

更に病院へ行くのに

マスク拒否って人も出てきていて

一体何を

考えているのか。

 

他者への想像力

皆無だな。

 

ターボ癌なんて言葉も

いつまで言っているんだろうね。

 

結局

そういうことをいい募る根本には

「金」が絡んでいて

うんざりする。

 

これを飲めば、も

これを食べれば、も

この話を聞けば、も

 

全部

全部。

 

集金システム。

 

不安で心許なくなっている人達が、そんなものにすがってしまうことを考えると、悔しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

友来たる

TOKIOに住む友達が

「京都に遊びに行くよ」

という。

 

ああ、そういえばそろそろ紅葉の季節だったと

聞いていたら

「だからあおうぜ」と彼女が言ったので

少しうろたえた。

 

家をあけられない。

 

母は最近すっかり年老いて

5分前のことを忘れると嘆く。

 

余所の家の同年代の人に比べれば

随分元気だと思う。

 

それでも老いは確実にやって来ている。

 

出しっぱなしの水道は

蛇口を閉めればそれですむ。

 

そう思いながら暮らしている。

 

きっと自分でも心許なくあるのだろう。

 

通院日、買い出しを済ませて少し遅く帰ると

玄関の外に小さな母の姿がある。

 

「ああ、良かった、帰ってきた。

…また入院とか言われているんじゃないかって

ちょっと

心配してたの。」

 

そう言って安心したように笑う母を

置いていけない。

 

「でも、私、出ていけないから。」

 

そういう私に

「あ、家まで迎えに行くからさ。

お茶でも。

私さ、気に入ったパン屋さんがあって、

それを貴方に、食べさせたいから

出るの無理なら、パン渡すだけでも」

 

え?

 

こんな田舎に

本当に?

家の前まで?

 

そうして

本当に彼女は来た。

来たんだ。

 

レンタカーで。

優しい旦那様が運転して。

 

 

楽しい時間はあっという間だった。

私は何も実のある話は、出来なかった。

沢山言いたいことはあった気がするのに。

 

人と話すと

解放されていく自分がいる。

 

なのに

久しぶりに人と話すと

話しをするのが下手になっている自分がいる。

 

話が散漫。

あっちに行ったり

こっちに行ったり。

 

それでも彼女は笑ってくれた。

 

そうしてあろう事か

買い出しにまで連れていってくれた。

 

旦那様も

行きましょう行きましょうって。

 

観光に来ているのに

そんなって言いながら

結局私は甘えてしまった。

 

 

彼女達と別れて

夜、その時買ったお刺身を食べていると

母が

「美味しいねえー。

頭叩かれても判らないくらい美味しいわ」

と言う。

 

安いスーパーの特売のお刺身。

でも、連れていってもらわなければ

口に出来なかったお刺身。

 

「大袈裟だなあ。」

 

と笑いながら

私はちょっと泣きそうになった。

 

山葵つけすぎたかなあ。

 

環と周

環と周という漫画を読んだ。

よしながふみの短編集。

 

そのなかの70年代編が

刺さって。

 

病気の女がいる。

 

未婚で端から見れば

ついてない女。

 

でも案外と本人は

楽しく生きている女。

 

女は

子供と知り合う。

 

やがて

その子供の母親とも知り合う。

 

理解があり

受容があり

夢のような3ヶ月があり

 

だけど。

 

悲劇なのだろうか

これは

 

救いがない話なのだろうか

これは。

 

いいや

いいや

 

そんな単純な話じゃないと

いつの間にか

泣きながら

 

人は永遠じゃない。

だけれど

 

でも。

 

喉の奥に

心臓があるような気がする。

 

エンターテイメントは

救いだ。

 

 

 

 

私だってね

10月14日は、誕生日だった。

私の。

私の誕生日。

もう過ぎてしまったけれど。

 

10月13日は通院日で

乳癌の方の。

 

肝臓の数値が悪いって言われて

なんかどこかドーンとした気持ちを抱えたまま、誕生日。

 

誕生日って、

嬉しい。

 

嬉しいのと同時に

「ありがたい」。

 

今まで生きてきて

誕生日の日に

「ありがたい」と思ったのは

初めてのことだった。

 

私のささやかな

ささやかすぎる経験の中で

改めて思う。

 

何があるのか

どうなるのか

 

人間なんて

らららららーだけどさ。

 

だからこそ

ありがたい1日。

 

ありがとう。

ありがとうございます。

 

そしてちょっとだけ

自分を甘やかした。

 

「よく頑張ってる。」

 

小さな声で

自分に向かって

呟いてみたら

ちょっとだけ

鼻の奥が

ツンとした。

 

「よく頑張ってる。」

 

 

病院で

今日は通院日だった。

乳癌の方。

 

弟が送り迎えをしてくれた。

仕事の都合もあると思うから、

無理はしないでと言ったけれど

「行くわ」。

 

ところが約束の10時半になっても来ない。

 

とうとう11時15分も過ぎて

予約の時間があるから、気が気じゃなかったんだけれど、

デパートによってケーキと

太后にふわふわパンを買ってきてくれたのだった。

 

 

病院は混んでいた。

相変わらず混んでいた。

 

この間言われた肺に出来た

索状痕のことを聞く。

 

それは放射線治療の影響でねえということだった。

11月に再びマンモ。

その結果を待ちましょうって。

 

「それよりも肝臓の数値が気になるねえ」

 

「tonchikiさんはお酒は?」

 

「飲まないです」

 

「煙草は?」

 

「ずっと前に止めています。」

 

「うーん」

 

「とりあえず血液をとって検査しましょう」

 

「…はい」

 

「あと、骨密度も測ります」

 

「はい」

 

「…ホルモン剤をずっと飲んでいるから、骨が溶けるのよね」

 

「…」

 

「まあ、ね」

 

「はい。」

 

「後ね、亜鉛は、数値良くなってるね」

 

「…ナッツを食べるようにしてます。」

 

「ほら、すごいでしょ、ぐんと良くなってる。

頑張ってるね」

 

そう言われても

不安な顔の私。

 

「ま、来月とにかく検査して」

 

「はい。わかりました。」

 

人の身体に絶対はないって

思うけれども

また、このもやもやを抱えるっていうのが

嫌だなあ…仕方ないけれど。

 

結局私は気が小さいし、この上もなくビビリだ。

 

診察が終わって会計の順番を待つ。

 

 

ぼーーっと座っていたら弟がきた。

2時間近くも待たせて、ごめんよー。

 

「車回すわ。薬局の前に。」

 

更にぼーーっと順番を待つ。

 

すると窓口で

高齢の男性が声を荒げている。

 

「だからな。

この明細書見て初めてわかったんや。

このパジャマ代ってなんやねん!」

 

「いや、それはですから」

 

「わかってるよ。

貸しパジャマの代金やって言うんやろ?

でもなうちはパジャマ持っていってたねん。」

 

「それはですから」

 

「わかってる。

だから、奥さんに了解とってって言うんやろ?」

 

「でもな、俺は最初に言うていたはずや。

うちの奴は認知やからって。

それやのに、奥さんに了解とったって、それは違うやろ」

 

「…」

 

「あんたらは、それくらいって思うかもしれんけどな

10万以上払ってるねん。」

 

「そうですね」

 

「生活苦しいからな…だからな…連絡はちゃんとして欲しいねん」

 

「…」

 

延々と続く男性の訴え。

 

切なかった。

 

帰宅したら

友達からカードが届いていた。

 

フクロウのカード。

 

不苦労のカード。

 

頑張らなくちゃ。