里芋

畑は皇太后の生き甲斐。

 

太后の畑は、身びいきじゃなくて、他の畑仲間の人たちのものより、青々と。

 

思うに、やっぱり心底野菜を可愛がっているからだろうなあと思う。

 

夏の暑い時も

冬の寒いときも

毎日必ず。

 


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有機で作った野菜は、手を掛けた分だけ、甘く、香り高く、ジューシーで、美味しい。

 

「…いつまで出来るかな。」

 

今まで言わなかったその一言が、私には響くこの頃。

 

太后の畑で里芋の収穫。


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「寒くなるんだってさ。

ひえないようにって、シンタからメールが入ってたよ。」

 

「あら、そう」

 

そういって花のように笑う貴女が、明日もまた笑ってくれますように。

 

「今日の晩御飯は?」

 

「ワンパターン、豚汁。

だけど、里芋入れたから、きっと美味しいよ。」

 


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「うん、味がよく出てる。」

 

「そう?良かった。

やっぱり、里芋がきいてるね。」

 

「うふふふ。」

 

この贅沢な食卓が、私の自慢。