入院、手術に先立って、PCR検査を受けて来た。
PCR検査は、鼻の奥が痛かったよ~~う。
あんなの毎日受けるなんて、オリンピック選手、すんごいストレスじゃないのかしら。
他に3つの検査。
そうして栄養指導。
癌告知を受けてから、私はノートに1日に食べたものを、正直に書き留めてきた。
漠然と大きな話で聞くよりも
「私の食生活の問題点」を聞いた方が、確かだし勉強になる。
そう思って、そのノートを持って、栄養士の先生に見せた。
日本成人病協会のページ
によれば
『大腸がんの原因
大腸がんの発生は、生活習慣との関わりがあるといわれ、赤肉(牛、豚、羊など)や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の多量摂取、食物繊維の摂取不足、飲酒、喫煙により大腸がんの発生するリスクが高まります。
また、体脂肪の過多、腹部の肥満、高身長といった身体的特徴をもつ人も、大腸がんを発生するリスクが高いといわれています。』
と書かれている。
「う~~む。日ごろのいい加減な生活態度が問題だったか?」
そこらへんも気になった。
noteを広げ、チェックしてもらう。
「う~~ん。
野菜とお肉、バランスもいいですし・・・食事内容に全く問題はないです。」
「あ、そうですか。・・・でも、ネットを覗いたら「生活習慣」なんてことが書いてあったんで・・・じゃあ、何が悪かったんだろう・・・。」
「暴飲暴食をしても、大丈夫な人もいらっしゃいますし、
気をつけて、完璧な食生活をとっておられても、癌になる人はいらっしゃいますし・・・。」
「・・・・・」
黙り込んだ私に、栄養士の先生は明るい調子で言いきった。
「・・・運です。」
アハハハハ。
運か~~い!!!
そして
「・・・プリンとアイス・・・お好きなんですか?」
「あ、はい。」
突っ込まれてしまう私。
そんなこんなで、指導を終え、帰りのタクシーを待っている間に、友人にメールをする。
「食べたものリスト見る限り、なんの問題もないって。」
「そりゃそうだよ。
運もだけどストレスというか気苦労というか背負ったものというか・・・そーゆーのが溜まって消化できなくてじゃないのー」
「…あ、ストレスか~~。」
「逃げ道のない毎日は何処か悪くすると思う。
まッそうだよね。
何分の1を背負ってくれる人もいなかったんだもん。
決断の日々だったし。」
「・・・そうかもしれないなあ」
「介護がストレスとかじゃなく・・・
命の選択をしてきたからね。」
タクシーを待ちながら、うっかりウルッと来そうになってしまった。
そう、介護は、ストレスなんかじゃなかった。
あの日々があったから、向こうの世界へ…と思うこと自体は、不思議と穏やかにいま受け入れられる。
痛いのや、苦しいのは、嫌だし、やっぱり怖いけど。
そんな風でもうるっときてしまったのは、
それは、この言葉を言ってくれた友達が、同じような日々を知っているから。
飾った言葉じゃなく、その人自身の中から生まれた、生きた言葉だからだ。
そうだよ。
そうだったかもしれない。
私を
甘えさせてくれるのは、いつだって
痛みの中の小春日和のような時間をも知っている人達。
そのうえで、そこにとどまることなく、顔を上げ、「わからないこと」に全力で立ち向かってきた人達なのだった。
6月24日、手術が決まった。
「まだまだ美味しいものは、たくさんあるよ。」
「退院したら、美味しいパンを焼いてあげる。」
「皇太后のために、頑張れ」
「頑張れ」
これから8日間の絶食生活が始まる。
私のモデルデビューも近いな。