ウィル


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オスカーのウィルスミスがクリスロックに平手打ちするシーンを観ていた。

 

今日になって早速日本でも取り上げられまくっているシーン。

 

いわく「ウィルは、もっとスマートにジョークで返すべきだった。」

 

「暴力はいけない。」

 

ウクライナで非暴力ってなっているこの時期に、あんなに感情に任せて。

ウィルほど大物でなければ、もっと大事になっていた。」

 

そのどれもが全くもって正論で、その通りでしょう、ごもっともでございますってことであるのだけれど。

 

その後のスピーチも込みで、私はウィル面白いなあと思っていたのだった。

 

そもそも彼とその妻ジェイダンの仲は、複雑である。

 

画面では仲良しーって映っていたけどさ、びっくりするほどでっかい自邸で、長い間家庭内別居なんてニュースを聞いたのはいつの話しだったっけ。

 

また元に戻りつつあるのかしら。

最初は笑っていたウィルが壇上に上っていくまでの間の心理に、興味があるけれど、それは当人にしかわからないこと。

 

その「解らぬこと」に、解説を試み、「結論」を出して安心したい人々。

 

そこに商売が生まれる。

 

「貴方は悪くない」

「貴方は誰より頑張っている」

「パートナーの、旦那の無理解を腹だたしく思うのは当然。

「貴方がつまづいたのは、環境のせい」

 

そう言えば間違いなく共感者は増える。

そこに「カルマ」論をトッピングすれば、一丁あがり。

 

「我慢しないでのびのび生きよう」

 

ウィルは謝罪した。

 

クリスロックのツアーチケットは飛ぶように売れているそうだ。

 

いつか、この出来事も「ネタ」におとしこまれる。

 

ウィルは、何に謝罪したのだろう。

 

「解説」するその瞬間から変容していくもの。

 

書き出したその瞬間、変容していくもの。

 

ウィル面白いな。

だって、ナマの人間だったからさ。

 

それだけじゃ「物語」にはならない?

 

そして、小さな島国の田舎の片隅で

私はエレンペイジの姿を観て

「こっちに行ったのかー」と思ってた。