ラッキーday

年内最後の通院日だった。

 

病院は混んでいて、弟に送ってもらって、予約時間から、丁度1時間余り待たされた。

 

「味がしないんです。」

 

「食べられてる?」

 

「…押し込んでます。」

 

「ああー」

 

看護婦さんはとても気を遣ってくださる。

 

「自分の足で歩いて来て、偉いです。

歩いている姿を見ると、私達も安心していられるんですよ。」

 

 

誉められた。

 

これから点滴だっていう患者さんが横で話していらっしゃったので、聞くとも無しに聞いてしまう話。

 

「嫌やわー。

そんなん言うてもしょうがないけど。

なあ。…なんでこんなになったんやろう。

 

…夜、怖くなるねん。

朝来るんかなって」

 

「…うんうん。」

 

「板の間を歩けなくなったし、ピリピリして物もさわれんし。…でも、家のことは私が回していかんといかんしなー。」

 

「…私はここにいますから、話したくなったら、何時でも来て。」

 

「ありがとう。…家ではこんなん話せへんしなあ。…心配するから。」

 

「そうやねえ。」

 

会計を済ませて、薬をもらって。

 

弟が待っていてくれた。

 

「お腹減ったやろ。これ、買っといた。」

 


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渡された卵サンドは、ビックリするほど美味しかった。

 

味覚異常の身だけれど、本当にビックリするほど美味しかったんだ。

 

買い出しを済ませて、帰宅してみたら、友達から一足早いクリスマスプレゼント。

 


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その中には、皇太后のためのフクロウまで。

 

喜ぶ皇太后の姿を見ながら

ああ、やっぱり私はラッキーなのだなと確信する。

 


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ベソベソ泣きながら。

 

今日もラッキーday。