日ごとに 重湯の中に ご飯粒が増えていき、 重湯からおかゆに。
手術して まだ 痛みの残る お腹の事を考えると 、食べることに 慎重になる。
出されたおかゆを、ゆっくりゆっくり 時間をかけて 食べる。
本当に こんなに少ない量で と思うのに、食べきれない日が続く。
残してしまうなあ、モデルの私。
でも これで
「出された 食べ物は残さず食べる 」
という ところから 、少し 自由になれたかも。
入院前なら、3口で飲んでいただろうコーンスープ。
何倍もの時間をかけて 食べる。
やがてスープが おみおつけになった。
そこに豆腐が投入されているのを見て、テンションが上がる。
日本人だなあ。
ささやかなこと。でも、 とても嬉しい。
そうこうするうちに、宅のシェフは 、新しい展開を 繰り出してきた。
「ハイ tonchikiさん 、朝ごはんですよ~。」
そう言われて ぼんやり いつものように お品書きを見つめる。
ん?
…お菓子????
次の瞬間 、私は病室で 声を出して笑ってしまっていた。
あはははは。
べビッコかあ~。
そうだな。
私は 入院で ある意味 生まれ直し、 もう一度 ベビー に なったのかもしれない。
こうして おやつが出るようになって 朝食がとても楽しみになった。
おやつは 朝食に出る。
そうか 、退院したら おやつは朝食べよう… 密かに決心する私。
ちっちゃいちっちゃいマドレーヌ。
マンナが出てきた時も、 やっぱり笑った。
メインにはなり得なくても 、こういうのって 本当に 嬉しいもんだ。
ダンスや音楽や本、そして、フレッシュな言葉と同じようにね。