「これから 、抗がん治療の 方針を決めていただきます。」
え?
先生が 決めましたではなくて、 私が決めるんですか?
私は 一瞬 何を言われているのやら 理解できなくて。
今は ネットの時代。
自主選択の時代。
セカンドオピニオンなんて当たり前。
そう 。
そういう時代だということは分かっている。
だけれど 、私は 正直 そういう時代 だとわかっていても、 気持ちがついていかないのだった。
だって、 誰に どんな方法がある ときいたところで 結局は 任せるしかないじゃないか。
最終的に 運でしかない。
そう、思った。
私の大腸癌も乳癌も 、発見されたのは 運だったと思う。
そして、アンガールズ田中先生、ちびまるこ先生 、オメガ先生 、乳腺御陽気ドクター 、離島先生達に 出会えたのも 、最終的には 運だろう 。
それまで顔も、存在も知らなかった人達。
その人達に、私は全てを委ねた。
結局はそういうこと。
だとすれば 任せるしかない。
それは諦めではなくて 一種の 運命 の受け入れ… そんな気がしている。
なのに??
いやいや 正直に言えば 、私は もう考えたくないのだ。
自主選択は = 自主責任。
自分の運命は自分で決める 。
それは そうなんだけれど 所詮は素人。
医者ではない私は 考えたくないのだった。
そんな 私の 気持ち にお構いなしに、 離島先生は言った。
「抗癌治療には 、二つの方法があります。
どちらを選ぶか 退院したら よく考え 調べて、 次の 診察の時に でも、 結果を 知らせてください。」