消えないのさ

乳腺ご陽気ドクターのところで 、薬が切れた から 出してほしいなと思って 、外来のついでに 言ってみた。

 

それは心臓のための 薬 。貼り薬。

 

ずっと 心臓は大丈夫だって言われたけれどなぁ と思いながらも、使っていた薬。

 

「まだ 貼らなくちゃいけませんか」 そう言うと 、

「念のためね。 貼り薬は貼っといて。」 という返事が返ってきて。

そうだね先生がそういうんだったら と 看護師さんも言うし、 使っていた薬。

 

「あの~別に 心臓は大丈夫だって 言われたんですけど 。でも ちょうど薬が切れるから、貼らなくちゃいけないのだったら、 出してもらえますでしょうか。」

 

そういうと、乳腺ご陽気ドクターは 、

「だったら循環器 内科の先生に きちんと診てもらった方がいいわ。 やっぱり 餅は餅屋だしね。」

 

「そうですか。 」

 

「それじゃあ こちらから21日に予約を取ってあげるから 、その日に外来で 来てもらえますか。」

 

あーまたかよ。 また1万円が飛んでいく。

我が儘かもしれないけれど、少しげんなりしながら 、私は「はいわかりました。」と 答えた 。

しょうがない 。小さな病院ならそこら辺融通効かせてくれるんだけどなあと、思ってしまう。

 

「それはそれとして、 もう1度マンモもとっておきましょう 。今日帰りがけ とっていって帰ってくれるかな 。」

 

思わず「いいともー」と言いそうになる。

危ない、危ない。

 

「はいわかりました。」

 

「えっと、 ああその前にエコーエコー。 右おっぱいの エコーをするわね。 …あーやっぱり薬が効いて 小さくなってるわねえ。」

 

「え、そうなんですか ?」

 

「うん。随分小さくなってる。」

 

「それなら 全部 消えてしまえばいいのに。」

思わずそう口に出た。

 

すると 乳腺ご陽気ドクター は

「いやいやそれは困るのよ 。消えたように見えても なくなるわけじゃないから 。癌っていうのは、手術がしにくくなるから あまり小さくなると マーカーをつけなくちゃいけなくなってしまう のね。

そのマーカーっていうのは 、ちょっと高いんだけど、病院の持ち出しになるのよね。 あはははは。 だから 定期的に ここにあるんだって 確認していかなくっちゃ いけないのよ。」

 

素人の私にしてみれば 、癌が小さくなったと聞くと 嬉しい …そうとしか思えなかったけれど。

 

癌は 小さくはなっても

決して消えないんだってさ。